令和6年度の年金支給額は?大幅引き上げにもかかわらず実質目減り

年金
6月15日支給分から2.7%の増額

今年6月15日支給分からの年金の支給額は物価や賃金の上昇に伴い、2.7%と大幅に引き上げられることになり、伸び率はバブル崩壊以来、最も高い数値となりました。(ちなみに去年は1.9%の引き上げでした)ただし、将来の給付水準を確保するために、物価や賃金の伸びよりは低い数値に設定抑されており、実質的には目減りとなる点は非常に残念かと思います。
公的年金の支給額は物価と賃金の変動に応じて毎年度改定されることが決まっており、厚生労働省は今年の4月からの新年度は、昨年の物価上昇率が3.2%、過去3年間の名目賃金の上昇率が3.1%となった実績から2.7%引き上げると決めました。引き上げは2年連続であり、伸び率はバブル崩壊以来で最も高くなりました。ただし、将来の年金の給付水準を確保するための「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みにより、引き上げ率は賃金の伸びより0.4%低く抑えられており、実質的には目減りとなります。

 

マクロ経済スライドとは

そもそもこのマクロ経済スライドとは何でしょうか?
マクロ経済スライドとは、年金財政を健全化(抑制する)ための調整で、保険料を支払う現役世代の減少率と年金を受給する高齢者の増加率を合わせてスライド調整率分が引き下げられるという制度です。ただし、改定率がマイナスの時(つまり年金額が減額改定の時)にはマクロ経済スライドによる調整は行われず、また調整した結果、最終的な改定率がマイナスとなる様な調整も行われないことになっています。

マクロ経済スライドの仕組み

令和6年度の新規裁定者の年金額の例

・厚生年金は、40年間平均的な賃金で会社員として働いた夫と専業主婦の世帯のいわゆる
「モデル年金」で今年度より6001円増え、月額23万483円
・国民年金は満額で1750円増え、月額6万8000円になります。
 ちなみに69歳以上の人の国民年金は満額で1758円増え、月額6万7808円になります。

年金だけで生活できるのか?

総務省統計局の「家計調査報告 ・2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支結果によると、支出月額は282,497円(非消費支出が31,538円、消費支出が250,959円)でした。年金支給月額が230,483円ですので、不足額は52,014円と算出されます。

 

 

つまり標準的な生活を維持するためには、月額約5.2万円が不足するので、何らかの工夫(例えば、貯蓄を切り崩す、年金以外の収入を増やす、生活を切り詰めて支出を抑えるなどの対策)が必要となります。令和5年度の不足分が月額約3.8万円でしたので、その差が広がったことになります。今後この傾向はさらに広がるものと思われるので、可能な限り早めの対策を打つことが必要と考えられます。

エニーライフラボ

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