株式投資におけるリターン(収益)とは

はじめに

皆さん、この記事を読んでいただいている方の中には、現物株の取引きを行っている方も多いと推察します。そこでお聞きします。株式を購入する際に、皆さんが気にするポイント(購入理由)は何ですか?
・その会社の社風が好きだから
・その会社の製品を長年愛用しているから
・将来性があるから
・社会貢献しているから
など人それぞれかもしれません。ただ、大半の方は株を保有することによるリターン(収益)を第一に期待して購入を決めているのは間違いありません。
そこで今回は、株を保有することによるリターンとは何か、考えてみたいと思います。

リターン(収益)とは

株を保有することによるリターンには3種あります。

1)まずは株式を売却することによるキャピタルゲインです。
購入時よりも株価が上昇していれば、この上昇分を売却益として受け取ることができます。株取引によるリターンのイメージとして強いのはこれですよね。

2) 次に株式を持ち続けることによるインカムゲインです。
通常株式を1年間持ち続けると配当金を受け取ることができます。
配当金とは株式を発行した企業は、一般的に、利益を上げると株主にその一部または全部を分配します。その分配された利益のことを「配当金」といいます。中間配当と期末配当を受け取ることができます。

3)銘柄によっては株主優待も期待できます。
株主優待とは一定数以上の自社の株券を権利確定日に保有していた株主に与える優待制度のことです。一般的に割引券や優待券、中にはお米や地方の特産品などをプレゼントする場合もある様です。株主優待の制度はその法的な義務は法令上無く、個別の企業判断に委ねられているため、株主優待を定めない企業もある点に注意が必要です。

実際に計算してみる

では、実際の現物株の事例で計算してみましょう。事例として、2023年7月に株式が分割されて個人投資家でも少額から購入しやすくなったNTT、つまり
日本電信電話 (9432) の株を1単元(100株)購入した場合をとり上げてみました。

前提条件です。
 ・株式の取得日は2022年12月8日で、取得価格は147.88円
 ・株式の売却日は2023年12月8日で、売却価格は170.5円
 ・2023年3月期・期末配当は2.5円
 ・2024年3月期・中間配当(予想)は2.5円

まずは配当金を計算します。
 1株あたりの期末配当と中間配当の合計は5円となるので、1単元では500円となります。

次に売却益を計算します。
 1株あたりの売却益は、170.5円-147.88円=22.62円となるので、
 1単元では2,262円となります。

従って、配当金と売却益を合計すると、
 500円+2,262円=2,762円となります。
収益率にすると
 2,762円÷(147.88円×100株)×100 = 18.7(%)

日本電信電話 (9432) の年間リターンは18.7(%)となりました。

時価総額上位5社のリターン実績は

せっかくの機会ですので、日本を代表する企業のリターン実績を算出してみることにしました。
株式の時価総額上位
トヨタ自動車 (7203)、 ソニーグループ (6758)、日本電信電話 (9432)、キーエンス (6861)、 三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)
の5社としました。ちなみに、キーエンスは一般の方にはあまり馴染みが無い会社ですが、計測機器、情報機器、光学顕微鏡・電子顕微鏡などの開発および製造販売を行う企業として産業界では非常に実績のある会社です。筆者もかつて半導体の技術者をしていた頃にレーザー顕微鏡などの計測器で大変お世話になりました。その他の4社は言うまでも無いですよね。
(トヨタ及びソニーの期末配当はまだ公表されていないため、中間配当と同額と仮定しました)

各社の収益率を計算した結果、時価総額上位5社の中でも随分と差があることが分かります。特に三菱UFJフィナンシャル・グループの収益率が飛びぬけて良いのが驚きですが、どの会社も確実に収益が見込まれますので、十分投資に値する会社であることには間違いありません。

最後に

株式投資におけるリターンと言えば価格変動による売却益だけに目がゆきがちですが、配当金も含めて考える必要があります。この様に配当金、株価といった要素を総合的に考えると、株式投資のリターンがどのように決まるのかが分りやすいと思います。

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