コロナ禍の株高 株価上昇はバブルではない
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コロナ禍でも株高の原因は?
2020年初頭からのコロナ禍によって国内外経済は大きな打撃を受け、未だに改善の見込みも無い状況が続いています。しかし株価だけは別物で、日経平均株価はバブル崩壊以降の高値を更新、現時点では3万円前後の高水準で推移しています。景気が悪いのに株価が上がる、この現象は理解に苦しみますが一体何故なのか、原因を考えてみました。
影響の大半は非上場の中小飲食店だったという事実
特に影響が大きかったのは、個人事業主や中小企業が経営する飲食店でした。日経平均やTOPIXといった株価指数はこうした飲食店の業績はほとんど反映していません。
製造業にはむしろ追い風だったという事実
本来は飲食、旅行、遊興といった事に使われるはずだったお金が現物の購入に多く使われました。自動車、ITデバイス(スマホ、タブレット、PC)、家電、といった耐久消費財が好調でした。こうした製品を作る製造業は大企業が多く、それら企業は株式を上場しています。日経平均に含まれる225社のうち約6割はこうした製造業ですから、コロナ禍が追い風になった企業が多かったと言えます。
実は株価が上昇したのは一部だけだった事実
日経平均株価を押し上げたのは一部の企業だけだったという事です。上位5銘柄とそれ以外の220銘柄に分解するとこの事実は明確なんだそうです。つまり上位5銘柄が約70%上昇している反面、残りの日経平均220銘柄は年初から約5%のマイナスでした。日経平均株価を構成する銘柄のうち2020年初比で株価が上昇したのは3割強に留まり、残りの6割弱はマイナスでした。つまり株価上昇と言っても、全ての銘柄が上昇しているのではなかったんですね。
株価上昇は決してバブルではない
巷では株価上昇は実態を伴わないバブルだと言われていますが、原因を良く分析すると決してバブルではない事がわかると思います。私達はこのような状況を良く理解した上で適切な投資に心がけないといけないですね。以下は私見ですが、投資家としては現在の経済状況では3万円程度が限界の株価と考えている方が多いのではないでしょうか。従って、3万円を上回ると一旦利益を確保しておこうとする心理が働き売りが増え、また下落すると買っておこうとする心理が働くのではないかと考えています。大きな外的要因が無い限り、しばらくは3万円を境に上下する状況が続くのではないでしょうか。
誰でもFP相談室 村上