日経平均株価 32年9か月ぶりの高値の要因は?

日経平均
はじめに

東京株式市場では株価の上昇が続いています。日経平均株価は5月17日に1年8カ月ぶりに3万円台を回復しました。ここしばらく株価は低迷していたので、本当に久しぶりの朗報でした。そして続く5月19日にはいわゆる「バブル景気」の時期の1990年8月以来、32年9か月ぶりの高値をつけました。そしてさらに本日5月29日、最高値を更新し、31,233円で終えました。株価はなぜここにきて急上昇しているのでしょうか?

株価高の主な要因は?

要因1:金融不安が解消されたため
 まず、欧米の金融不安がいくぶん後退したことです。「銀行」や「保険」など金融関連の銘柄で株価が上昇しました。

要因2:企業の業績が好調だった
 新型コロナの鎮静化によって経済活動の正常化や円安の効果で業績を伸ばす企業が相次いだことも株価上昇の要因となりました。商社を含めた「卸売」や「空運」「陸運」など昨年度の決算が好調だった銘柄に買い注文が目立ちました。

要因3:東証の改善要請があった
 東京証券取引所が市場での評価が低い企業に改善を促したことで企業の改革への期待が高まっていることも株価上昇の要因として指摘されています。東京株式市場では、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る企業が多く、市場での評価が低いことが課題となっており、市場での評価が低い企業に改善する様に通知しました。

要因4:自社株買いが進んだ
 そして、東証の改善要請の結果、PBR1倍超を目標に株主還元の一環として自社株買いなどを実施する企業が相次ぎ、結果として株価を上昇させたとも言われています。

要因5:金融緩和策の継続が示された
 4月に日銀の総裁が黒田さんから植田さんに代わりました。植田総裁は金融緩和策を継続する意思を明確に示したことも要因と言われています。

今後の見通しは?

さて、株価が高値を更新したことは良いのですが、今後、私達はどの様に行動すれば良いのでしょうか。今後株価がどうなるか?は誰にも分かりません。ただ、今回の株高は日本国内の要因によるものです。米国の株価は下落している反面、日本株は上昇が続いていることがポイントでしょう。今後は、米国の金融不安が後退したとはいえ解決した訳ではありませんし、6月5日まで先延ばしされた債務上限の引き上げ問題など、米国経済の状況次第では日本株が影響を受けて下落することも予想されます。また、今回の株価の上昇がそもそも日本企業、そして日本企業の実力を反映したものなのか?この点についても注意深く見てゆく必要がありそうです。
さて、難しい株価の今後については専門家にお任せするとして、筆者は昨年のロシアのウクライナ侵攻直前に購入し、侵攻後に元本割れしていた幾つかのファンドをやっとここで売却できそうです。どのタイミングで売却するか、しばらくは株価とのにらめっこになりそうです。

エニーライフラボ

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