相続税の節税対策事例 相続税をゼロにすることも可能?

相続
はじめに
何

50代も後半になると忘れてはならないのが相続です。相続が発生し、相続税を支払うか否かで老後資金に大きく影響する場合も考えられます。できれば払わなくても良いのであれば、それに越したことはありません。そこで、ここまで3回に分て相続税の節税対策の方法を紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。色々と方法を紹介してみましたが多分、ピンとこなかったのではないかと推察します。そこで今回は、とあるモデルケースを設定し、最も一般的な相続税の節税対策を行った場合の効果を数値で検証してみたいと思います。

モデルケースを設定しました

せっかくモデルケースを設定して検証するのですから、可能な限り役に立ちそうなケースを考えてみました。それが以下のケースで、実を言うと、筆者の境遇に非常に近い実例を設定してみました。(説明を簡略化させる為に細かい財産の設定の省略や数値をデフォルメしています)

モデルケース

被相続人は母親 年齢は81歳です。(平均寿命の88歳までは残り7年という設定です)
遺産総額は計6,000万円です。(自宅が 3,000万円 、 預金が 3,000万円)
相続人は長男(50歳)、次男(40歳)の二人です。
従って今回の相続案件の場合の基礎控除額は4,200万円となります。(3,000万円+600万円×2人)

今回は以下に設定する節税対策を行った場合に収める税金(相続税または贈与税)を計算してみます。

ケース1:通常の相続を行った場合(節税対策をしない場合)
ケース2:通常の生前贈与を行った場合(贈与税がかかる場合)
ケース3:暦年贈与を行った場合(贈与税がかからない場合)
ケース4:暦年贈与と生命保険の非課税枠を活用した場合

ケース1:通常の相続を行った場合

節税対策を何もしない場合の相続税額を計算してみます。
課税遺産総額は遺産総額6,000万円から基礎控除額4,200万円を差し引いて1,800万円となります。この1,800万円を長男と次男でそれぞれ900万円で分割します。相続税額は長男、次男それぞれ
900万円×10%=90万円ですので、
相続税額の総額は180万円と計算できます。

ケース2:通常の生前贈与を行った場合

相続発生前に生前贈与を行った場合の贈与税と相続税を計算してみます。長男、次男に各440万円を贈与、総額は880万円とします。
①贈与税の計算
贈与税は長男、次男ともに 
440万円ー110万円)×15%ー10万円=39.5万円 
となりますので、贈与税の総額は79万円になります。
②相続税の計算
課税遺産総額は遺産総額5,120万円から基礎控除額4,200万円を差し引いて920万円となります。この920万円を長男と次男でそれぞれ460万円で分割します。相続税は長男、次男それぞれ
460万円×10%=46万円ですので、相続税の総額は92万円と計算できます。 従って、納税総額は①と②の合算で171万円と計算できます。

ケース3:暦年贈与を行った場合

暦年贈与を行った場合の相続税を計算してみます。相続までは7年あるという想定ですが、相続前の3年間分の贈与は相続財産として扱われる為、暦年贈与できる期間は4年間となります。長男、次男に毎年110万円を4年間暦年贈与(総額は880万円)したとします。
課税遺産総額は遺産総額5,120万円から基礎控除額4,200万円を差し引いて920万円となります。
この920万円を長男と次男でそれぞれ460万円で分割します。
相続税額は長男、次男それぞれ 460万円×10%=46万円ですので、
相続税額の総額は92万円と計算できます。

ケース4:暦年贈与と生命保険の非課税枠を活用した場合

さらにケース3の暦年贈与に加えて、生命保険に加入した場合を考えてみます。長男、次男を受取人にして各500万円の生命保険に加入します。この場合の生命保険による非課税枠は1,000万円となります。課税遺産総額は遺産総額5,120万円から生命保険非課税枠1,000万円と基礎控除額4,200万円を差し引くとマイナス80万円万円となります。
つまり、相続税額の総額は0万円と計算できます。

まとめ

今回のモデルケースの場合の試算結果をまとめると下表の通りとなります。

適切な相続税の節税対策を行った場合、本来支払うべき180万円の相続税をゼロにする事ができました。
今回の試算結果はあくまでも一事例であり、常にこの様な結果になる訳ではありません。実際には個々の状況に応じて使う節税対策も結果もケースバイケースです。従って、節税対策には相続に強い専門家に相談する事をお勧めしたいと思います。

誰でもFP相談室 村上

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