ねんきん定期便は老後資金の大切な情報源 捨てたりしないでね!
目次
はじめに
本日、お客様のライフプラン作成の相談を受けた際、老後の受け取れる年金のお話になりました。通常、私達FPがお客様の将来受け取れる年金の資産をする際、いくつかの方法があります。現在の年収を元に簡易的な推計する方法、過去の働いた実績から試算する方法、ねんきん定期便を見る方法の3種類です。この中で最も精度が高い年金シュミレーションができる方法は、ねんきん定期便です。
筆者と最も関わりの多い50代以上の方の場合、老後も近い事からねんきん定期便の事は広く周知されている傾向にありますが、未だ30代、40代のお客様においては身近な物ではない様にも思われます。中には毎年届いていたことすら知らなかった方、届いても見ずに捨てていた方なども居られました。ねんきん定期便には将来自分が受け取ることができる年金に関する大切な情報が掲載されています。そこで今回は、ねんきん定期便のことについて説明をしてゆきたいと思います。
そもそも、ねんきん定期便って何?
ねんきん定期便とは、社会保険庁が2009年4月から実施した公的年金の保険料納付実績や将来受給できる年金額の見込みなど、年金に関わる個人情報を、国民年金・厚生年金保険の被保険者宛てに郵送する通知書です。ねんきん定期便は誕生月の2ヶ月前に作成され、誕生月に届くように、本人宛てに郵送されます。被保険者の年齢が35歳、45歳、59歳のいわゆる「節目年齢」の場合は、封書で、節目年齢以外の場合はハガキによって届きます。
ねんきん定期便 が届く様になったきっかけは、2007年に日本中を震撼させたあの、いわゆる「消えた年金記録問題」である事は言うまでもありませんよね。旧社会保険庁が解体されて日本年金機構になり、政権交代が起こる原因にもなりました。
ねんきん定期便は年齢によって様式が異なる
ねんきん定期便の様式は年齢によって異なります。
①50歳未満の方用
②50歳以上の方用
③年金受給者の方用
の3種類になり、各年齢に応じて記録されている情報は微妙に異なっているのが分かるかと思います。
この中で私達FPがお客様からの相談を受け、確認させていただくねんきん定期便は ①50歳未満の方用 と ②50歳以上の方用 のいずれかになります。 ③年金受給者の方用 は名前の通り、既に年金を受け取って居られる方に届く物ですので、あまり活用の場は少ないと思われます。
ねんきん定期便の見方、最低限2つのポイントを押さえて欲しい
ねんきん定期便は、これまでに納付した保険料などの大切な情報が記載されています。全ての内容をしっかりと把握することが理想ですが、なかなか難しいところがあります。そこで、まずは最低限、2つのポイントだけは押さえておきましょう。
50歳未満の方用
50歳以上の方用
①年金加入期間
国民年金や厚生年金の加入履歴が記載されています。将来、老齢年金を受け取るためには、保険料を納めた期間と免除された期間を合算して120月(10年)以上が必要です。
②将来の年金見込み額(年額)
加入実績や保険料納付実績から計算された将来の年金見込み額が記載されています。
・50歳未満の方の場合
これまでの加入期間に基づいた年金額が記載されています。つまり今、年金を納めることを止めた場合、将来幾らもらえるのか、が記載されていることになります。今後納める分まで加算されている訳ではないため、実際の給付額より少ない金額になっています。
・50歳以上の方の場合
現在の収入を維持したまま、60歳まで年金に継続加入した場合、将来幾らもらえるのか、が記載されています。つまり、65歳以降に実際受け取る額に近い年金額を確認することができます。
企業年金や国民年金基金の情報は記載されないので注意
ねんきん定期便には記載されない情報があるので、注意が必要です。
自営業者やフリーランスの方が加入する第1号被保険者の場合、国民年金(基礎年金)に加えて国民年金基金に任意加入されている方も多いと思います。しかし、 て国民年金基金の情報は記載されていませんので、注意が必要です。
会社員や公務員が加入する第2号被保険者の場合、 国民年金(基礎年金)、 厚生年金に加えて企業が独自に設定する企業年金(確定給付年金、確定拠出年金)に加入されている方も多いと思います。しかし、 企業年金(確定給付年金、確定拠出年金) の情報は記載されていませんので、注意が必要です。
また、最近流行りの個人型確定拠出年金(iDeCo)も同様に記載されていません。
最後に
ねんきん定期は将来自分が受け取ることができる年金に関する大切な情報が掲載されている物である事は理解していただけたかと思います。公的年金は老後における大切な収入源であり、 年金に関する情報 は老後への備え、資金計画を考える上で大変重要なデータであることは言うまでもありません。
私達FPもお客様のライフプランを作成する上で老後資金を見積もる際の重要情報です。
ねんきん定期は年一回、誰でも必ず届きますので、まずは内容を確認していただき、必ず保管する様にしましょう。 最後にもう一つ、個々の年金記録を確認する方法として、「ねんきんネット」を使う方法もあります。ねんきんネットに関しては、また別の機会にお話したいと思います。
誰でもFP相談室 村上
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