2022年4月1日の年金制度改正 年金手帳は廃止 基礎年金番号通知書を新たに交付

年金
2022年4月1日の年金制度改正

2022年4月1日から年金制度が大幅に改正されたのはご存じの事と思います。年金制度はその時の社会情勢に従い都度見直しがされているのですが、今回の改正は本格的に年金生活になる前の準備期間に関する部分が大きく見直されました。特に年金を受取りながら継続して働く世代の方々の就労意欲の向上に寄与する制度改正など、評価できる点が多いのが特徴です。詳細は下記の記事で解説していますので、興味がありましたらご覧下さい。

今回は年金制度の改正とともに、もう一点大きな変更点がありました。制度自体の改正ではないのですが、長年親しまれてきた年金手帳が廃止されました。そう、あのオレンジ色(年代によっては茶色や青色の方も)の薄っぺらいあの「年金手帳」ですよね。なぜ年金手帳が廃止になったのでしょうか。

年金手帳って?
はじめに

そもそも「年金手帳」とは何でしょうか。年金手帳とは、基礎年金番号を本人に通知し、公的年金の加入歴や保険料納付状況を証明するものとして発行されていました。手帳の形では、1960年に国民年金の加入者に発行された「国民年金手帳」が最初で、当時の年金手帳の色は茶色でした。国民年金印紙を手帳に貼付して保険料を納付していました。1974年11月からは厚生年金保険の加入者も含めオレンジ色の表紙の年金手帳が発行され、1997年1月からは表紙が青色となりました。
2022年時点の年齢でいうと、68歳から82歳までが茶、46歳から68歳までがオレンジ、45歳以下が青になっている様です。


基礎年金番号とは、国民一人ひとりの公的年金の情報を一元管理するためにつけられた番号で、以前は国民年金、厚生年金保険、共済組合といった年金制度ごとに異なる番号が付与されていましたが、1997年以降は全ての公的年金制度で共通して使用される一人ひとつの番号に統一されました。

何故廃止されたの?

今回「年金手帳」が廃止された最大の理由は個人番号(マイナンバー)の導入です。一人ひとりの公的年金の加入情報は、オンラインシステムで管理されている為、以前のように手帳の形式で通知や情報管理を行う必要がなくなりました。現在、社会保障や税金に関するデータをマイナンバーと一元管理されています。年金も同じで、マイナンバーによって年金記録に関する照会やさまざまな手続きが行えるようになってきているため、年金手帳は不要だと判断されたと言われています。この様な環境の変化により、2020年に公布された年金制度改正法で年金手帳から基礎年金番号通知書への切り替えが決まり、今回2022年4月1日から手帳形式での発行が廃止されることになりました。

基礎年金番号通知書が発行される

2022年4月1日以降に公的年金の被保険者となる人は「年金手帳」ではなく「基礎年金番号通知書」を受け取ることになります。既に公的年金制度に加入している人(年金手帳を持っている人)には基礎年金番号通知書は発行されません。従って、年金手帳は基礎年金番号を確認する書類として使うことができるので、捨てないで保管しておいて下さいね。年金手帳を紛失してしまった場合には再交付を申請することができますが、今後は手帳の再交付はされず、基礎年金番号通知書が発行されるそうです。日本年金機構によると、「基礎年金番号通知書」は下記の画像の様な色付きの上質紙製になる様です。

おまけ
最後に

既に本日(2022年4月23日)時点では「年金手帳」は発行されなくなってしまいました。今後、紛失した場合は「基礎年金番号通知書」を発行してもらうことになります。
ちなみに、基礎年金番号はこの他にも確認する方法はあります。例えば年金の納付書や領収書、口座振替額通知書にも書かれています。会社員の場合は給与天引きでこれらの方法で確認できないので、この様な場合は毎年誕生月に郵送される「ねんきん定期便」を用意した上で日本年金機構の専用電話番号に連絡すれば、後日、番号の書かれた書類が郵送されるそうです。いっそ「ねんきん定期便」に記載してくれれば面倒無いと思うのですが、皆さんはいかがお考えですか。

誰でもFP相談室 村上

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