2025年 e-Tax 「確定申告書等作成コーナー」が大幅リニューアル
目次
はじめに
令和6年分(2024年)の確定申告から、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」が大幅にリニューアルされ、より利便性の高いシステムへと進化しました。特に、スマートフォン対応の強化、ユーザーインターフェースの改善、データ入力の簡素化など、昨年(令和5年分)と比べて多くの変更点があります。本稿では、それぞれのポイントを詳しく解説し、昨年と比較しながらその変化を具体的に説明します。
スマートフォン対応の大幅強化
1.すべての所得税申告画面がスマホ対応に
昨年(令和5年分)まで
これまでは、スマートフォン対応が限定的で、一部の申告内容(給与所得者の申告など)についてのみ最適化されていました。特に、医療費控除や雑所得などの入力画面はPC向けのデザインがそのまま使用されており、スマホでは画面が見づらく、操作がしづらい問題がありました。
今年(令和6年分)
令和6年分の確定申告から、すべての所得税申告画面がスマートフォンでも快適に操作できるように最適化されました。レスポンシブデザインが採用され、スマートフォンの画面サイズに適したレイアウトが表示されるようになりました。これにより、PCを持っていない人や外出先でも簡単に申告作業ができるようになりました。
出展:国税庁HP「令和6年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でさらに便利に!
2. スマホ用電子証明書対応による手続きの簡素化
昨年(令和5年分)まで
マイナンバーカードを使ったe-Tax申告の際には、カードリーダーを使うか、スマートフォンでカードを読み取る必要がありました。しかし、スマホの機種によっては読み取りがうまくいかず、利用者が不便を感じるケースもありました。
今年(令和6年分)
新たに「スマホ用電子証明書」に対応しました。これにより、事前に電子証明書をスマホに登録すれば、マイナンバーカードを読み取る必要がなくなります。さらに、パスワード入力が不要になり、スマートフォンの生体認証(指紋認証・顔認証)を活用したスムーズなログインが可能になりました。
出展:国税庁HP「令和6年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でさらに便利に!
ユーザーインターフェース(UI)の改善
1. 入力画面のデザイン変更
昨年(令和5年分)まで
以前の申告書作成コーナーは、表形式の入力画面が多く、初めて利用する人には直感的に分かりにくい部分がありました。
今年(令和6年分)
今回のリニューアルでは、より分かりやすいデザインに変更され、項目ごとにナビゲーションがつくことで、迷わず入力できるようになりました。特に以下の点が改善されています。
・必要な情報をステップごとに入力するウィザード形式を採用
・フォントサイズやボタン配置の最適化
・ユーザーが入力すべき項目が明確に表示されるように変更
この結果、初めて確定申告をする人でも、より直感的に操作できるようになりました。ただし、昨年までの入力画面で慣れてきた方にとっては、慣れるまでは少々使いにくいと感じることがあるかもしれません。
出展:国税庁HP「令和6年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でさらに便利に!
2. 自動入力機能の強化
昨年(令和5年分)まで
マイナポータル連携による自動入力機能は導入されていたものの、対応項目が限定的で、一部の控除証明書(生命保険料控除など)のみが対象でした。
今年(令和6年分)
対応範囲が拡大され、医療費通知データやふるさと納税の寄付控除情報も自動入力できるようになりました。これにより、手入力の手間が大幅に削減され、計算ミスのリスクも軽減されました。
データ入力の簡素化とサポート機能の強化
1. 入力負担の軽減
昨年(令和5年分)まで
控除証明書などのデータを手入力する必要があり、度々入力ミスが起こっていました。
今年(令和6年分)
OCR(光学文字認識)技術を活用した書類スキャン機能が導入され、一部の証明書をカメラで撮影するだけで自動入力が可能になりました。
2. エラーチェック機能の向上
昨年(令和5年分)まで
入力ミスがある場合でも、エラーメッセージがわかりにくく、どの項目を修正すればよいのか迷うことが多くありました。
今年(令和6年分)
エラーメッセージが詳細化され、問題のある項目を具体的に指摘するようになりました。また、修正方法のアドバイスも表示されるため、スムーズに修正できるようになりました。
e-Tax送信機能の向上
1. 送信プロセスの簡略化
昨年(令和5年分)
e-Taxでの送信時に、多くの確認画面が表示され、手続きが煩雑でした。
今年(令和6年分)
画面遷移が見直され、よりシンプルな流れになりました。具体的には、送信前の確認事項がまとめられ、不要なクリックが減少しました。
2. 申告状況のリアルタイム確認
申告後の状況をリアルタイムで確認できる機能が強化され、「送信完了」「税務署で受理」「還付処理中」などのステータスがわかりやすく表示されるようになりました。
まとめ
令和6年分の「確定申告書等作成コーナー」のリニューアルによって、以下の点が大幅に改善されました。
・スマートフォン対応の強化(すべての申告画面がスマホ対応、スマホ用電子証明書の導入)
・ユーザーインターフェースの改善(ウィザード形式、見やすいデザイン、自動入力機能の強化)
・データ入力の簡素化(OCR機能の導入、エラーチェックの向上)
・e-Tax送信の利便性向上(送信プロセスの簡略化、申告状況のリアルタイム確認)
これらの改良により、確定申告の手続きがよりスムーズになり、初めての人でも簡単に申告できる環境が整いました。