米国株を購入するには ETFという手段も検討したい

米国株
はじめに

この記事を読んでいただいている読者の皆さんは多分、50代後半であと数年で定年退職を迎える方や既に定年退職を終えた方が大半ではないかと思われます。老後の資金が心配になる年代でもあり、皆さん、色々な方法で資産を増やす努力をされているのではないかと推察いたします。
さて、資産運用の方法として、当事務所では比較的にリスクが少なく、素人でも手が出しやすい日本株のインデックス型投資信託の運用を推奨し、その運用方法について色々とお話をしてきました。しかし、昨今の日本株の状況を見ると継続的に株価が下落したと思えば、菅首相の退陣表明で一気に急騰してみたり、 どうも先が全く読めません。 一方、米国株は史上最高値を年々更新し続け、非常に好調を維持していますので、私達としても放っておく手はありません。しかし、米国株に投資をしたいと思っても、米国株市場に上場する銘柄で日本の証券会社で購入できる銘柄は3,000以上もあり、私達の様な株初心者には、どの銘柄に投資したら良いか分からないですよね。そこで投資初心者におすすめなのが、米国株のETFなんです。
今回はこの米国株のETFについて考えてみましょう。

そもそもETFって何?

ETFとは

特定の指数、例えば日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等の動きに連動する運用成果をめざし、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託です。

市場急落時に、売買シェアが上昇し、純資金流入となった銘柄として注目されたのが、ETFでした。市場の上がり下がりでパフォーマンスが容易に把握でき、運用の透明性が高いことが注目されました。
ETFは、“Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれています。連動する指数は株式だけでなく、債券、REIT(リート)、通貨、コモディティ(商品)の指数もあります。投資先も日本から海外に広がり、投資しにくい国と地域と資産に手軽に投資ができるようになりました。

普通のインデックスファンドとどこが違うの?

普通のインデックス型投資信託との違いは、 ETFはそのインデックスファンドが金融商品取引所に上場しているようなイメージの金融商品であることです。ETFもインデックスファンドも運用の目的は同じで、指数の動きに連動する運用成果をめざす、指数連動型の投資信託です。対象指数と同じ銘柄・比率で株式や債券を保有する方法や、定量的な分析によってその株式や債券の保有比率を工夫する方法、また、派生商品を使う方法で、指数の動きに連動する運用成果が可能になります。インデックスファンドは、1日1回算出される基準価額で、1日1回しか取引きできませんが、ETFはそのインデックスファンドを投資家の判断で、金融商品取引所の取引時間内に、株式と同様に相場の動きを見ながら売り買いができるとイメージするとわかりやすいと思います。

ETFの詳細については、後日機会があれば詳しく説明をしたいと思います。

米国ETFがお勧めな理由は?

日本の証券会社で購入できる3,000銘柄を超える米国株の中から、どれがよいか自分で選ぶことは、投資初心者にとっては至難の業です。しかし、ETFを購入すれば専門的な知識がなくても1銘柄購入するだけで、分散投資が可能なのです。米国株のETFはいくつかの種類があり、大半のETFは何かしらの指数と連動するようになっているのが普通です。例えば、S&P500との連動する「バンガード・S&P500ETF」を1銘柄購入すれば、米国株500株に分散投資するのと同じ効果を得ることができます。
米国株は日本株と違って最低単元の1株ずつでも購入が可能です。しかし S&P500の全てを購入するには最低でも500株分の資金が必要ですが、ETFであれば、わずかな額から購入することができます。
このようにETF1銘柄を購入するだけで分散投資によるリスク分散効果をえることができるのです。

米国ETFの特徴

・取引時間が長く、いつでも取引可能
 ETFは投資信託でありながら、株式市場に上場しています。上場企業の株式と同じように値動きがあり、株式市場でいつでも売買することができます。 一般の投資信託の場合、取引価格は1日1回夜に確定する基準価額が適用されます。注文と約定のタイムラグがあるため、注文した時点の価額と、約定価額の差が生じてしまうのが難点です。

・リスク分散が可能
 ETFは、株価指数を構成する数多くの銘柄をポートフォリオに組み入れた平均値でできています。従って、1つの銘柄に投資する場合よりもリスクを分散できるという利点があります。当HPのコラムでも何回も出てきましたが、投資の基本は分散投資です。現物取引の場合、少額ではなかなか分散を行うことはできませんが、ETFであれば少額でも分散投資が可能なのです。

・少額投資が可能
 米国ETFは、経費率(投資信託でいう信託報酬)が低価格に設定されています。一般的な投資信託の信託報酬と比べても、米国ETFの経費率は安い傾向があります。この経費率は、ETFを保有する期間中、継続的に発生するコストです。できるだけ安いというのは大きなメリットになります。

・低コスト
 一般的な投資信託と比較して、保有にかかるコストが抑えられているものが多い傾向があります。中には買付手数料が無料なものも多くあります。

どんなETFを購入すれば良い?
はじめに

さて、ETFの仕組みや特徴が分かったとして、実際にどんなETFを購入すれば良いのでしょうか。
・ヨーロッパ、アジアなどのまとまった複数の国や地域などの、株価指数に連動するETF
・金融、ITなど特定の事業の株価指数に連動するETF
・水やバイオ、環境といったテーマや、金、農作物といった、特定の商品の指数に連動するETF
・海外REITなどの指数に連動するETF
・国やさまざまな種類の債券の指数に連動するETFなどもあり、初心者には迷ってしまいますよね。
正直、こう書いている筆者自身も色々なETFがあるので、明確に答えを持っている訳ではありません。
例えば、楽天証券の米国ETFの取り扱い本数を調べてみると、2021年8月30日現在で349銘柄もありました。あえて言うと、投資初心者でも理解し易く、馴染み深い指数に連動するETFが良いのではないでしょうか。

S&P500に連動するETF
2つある米国株市場に上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を浮動株調整後の時価総額比率で加重平均し、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスにより算出された指数です。

ナスダック100指数に連動するETF
ナスダック市場に上場している3133銘柄を時価総額加重平均して算出された指数です。1971年2月5日の株価を基準値100としています。

まとめ
最後に

今回は米国株式に投資する場合、初心者に最適な米国ETFのお話をさせていただきました。まずは馴染み深い指数( S&P500 、 ナスダック100など)に連動するETFから始めて見るのがお勧めです。 一点注意事項です。ETFは、対象指数などの値動きとETFの基準価額の値動きが一致するように運用されていますが、必ずしも対象指数などと基準価額の値動きが一致しない場合もあります。基準となる指数が上がっているからといって、必ずしもETFも上がるとは限りませんので、注意して下さい。

誰でもFP相談室 村上

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