確定拠出年金の受け取り方と注意事項1
確定拠出年金の受け取り方は3種類
この記事を読んでいただいている方は多分、定年退職が近い50歳代の方が中心かと思います。老後資金を確保するため、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「企業型DC(企業型確定拠出年金)」を利用している人は多いと思います。これらの制度は運用している時は非課税ですが、受け取る際には課税される場合があることを知っていますか?
「確定拠出年金の受け取り方は、「一時金」「年金」「一時金と年金の併用」という3種類がありますが、受け取り方によってかかる税金の種類や額、控除される金額も異なってきます。
「一時金」で受け取る場合
まずは「一時金」で受け取る場合は、退職所得控除の対象になります。退職金にかかる所得税を免除する制度で、かなり大きな金額が控除できる事が特徴です。
勤続年数20年以下の退職所得控除額は40万円×勤続年数で計算します。
勤続年数20年超の退職所得控除額は(勤続年数-20年)×70万円+800万円で計算します。
例えば35年勤務して退職した方の場合、(35年-20年)×70万円+800万円=1850万円となります。
退職所得控除はかなり優遇された制度ですので、大半の場合非課税か、課税されてもわずかの場合が多いです。
「年金」として定期的に受け取る場合
確定拠出年金を「年金」として定期的に受け取る場合は、公的年金などと同様に雑所得となり、公的年金等控除の対象になります。「65歳未満で受け取る場合は、公的年金等控除が60万円、基礎控除が48万円なので、年間108万円までが非課税になります。65歳以上は、年間158万円までが非課税です。厚生年金加入者は、公的年金と合算すると非課税枠を超えるのが普通ですので、生きている限り毎年、超えた分に所得税が課税される事になるので、一時金よりも多くの税金を払う場合が一般的です。
次回は実際の事例を基に、所得税額を計算してみたいと思いますので、こうご期待下さい。
誰でもFP相談室 村上
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