7月1日(土) 定年退職後の資産運用セミナーを実施しました

新型コロナ5類移行後の対面セミナー(3回目)を実施しました

  

新型コロナ感染症の5類移行に伴い、対面方式での資格検定講座を5月から再開しています。今回は「定年退職後の資産運用セミナー」というテーマで開催させていただきました。新型コロナが5類に移行したとはいえ、最近は再び増加傾向であることを鑑み、人数は10名以下の設定、講師は常時マスク着用での実施となりました。

過去2回のセミナーは終活に関する資格検定講座でしたが、今回は60歳前後の定年退職世代の方向けの資産運用をテーマとして取り上げました。60歳前後の定年退職世代と言えば、やはり気になるのは退職金の運用方法ですよね。厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 」によると、定年退職時の退職金平均は、大学・大学院卒で1,983万円だそうです。人生最初で最後の大きな収入と言っても過言ではありません。
この大きな退職金、セカンドライフの生活資金として少しでも有効に利用する為に、資産運用を検討している方も多いでしょう。しかし、この様な大きな資金を初めて得た場合、
「どのような方法で運用すべきかわからない」
「もし失敗したら老後の生活ができないので、運用は止めた方がよい?」など、
不安に思う方も多いのが現実です。実際、運用初心者が知識も無しにやみくもに運用を始めてしまうと、逆に資産を大きく減らしてしまう可能性もあります。そこで今回セミナーでは、退職金運用で押さえておきたいポイントやお勧めの運用方法、運用のコツを6点ほど紹介させていただきました。

せっかくですので、この場を借りて退職金を運用する前にぜひ押えておきたいポイントを2つほど述べさせていただこうと思います。

確定拠出年金の受け取り方に注意

近年、従業員の自助努力による資産形成の手段として、確定拠出年金を取り入れる企業が増えてきました。確定拠出年金は運用している時は非課税ですが、受け取る際には課税される場合があります。

確定拠出年金の受け取り方は、一時金、年金、一時金と年金の併用の3種類があり、受け取り方法によって課税される税金の種類や額、控除額も異なります。

一時金で受け取る場合

一時金で受け取る場合は、退職所得控除の対象になります。退職金にかかる所得税が減免される制度で、退職所得控除額は次の様に計算されます。

勤続年数が20年以下の方の場合 40万円×勤続年数

勤続年数が20年超の方の場合 (勤続年数-20年)×70万円+800万円

例えば38年勤務して退職した方の場合、(38年-20年)×70万円+800万円=2,060万円となります。退職所得控除はかなり優遇された制度ですので、大半の場合非課税か、課税されてもわずかな額で済んでしまいます。

年金として受け取る場合 

確定拠出年金を定期的に年金で受け取る場合、公的年金などと同様に雑所得となり、公的年金等控除を受ける事が可能です。65歳未満で受け取る場合は公的年金等控除が60万円、基礎控除が48万円となるので、年間108万円までが非課税です。65歳以上の場合は年間158万円までが非課税です。ただし、厚生年金加入者は、公的年金と合算すると非課税枠を超えるのが一般的なので、生きている限りは毎年超えた分に所得税が課税される事になり、一時金よりも多くの税金を払う事になります。

この様に税金面では一時金で受取った方が有利ですが、一度に多くのお金を手にしてしまうと、無駄遣いしてしまう可能性があります。その点、年金で毎月決まった額だけを受取る事で無駄遣いを防止する事ができます。

税金面以外でも考慮したい点があります。つまり年金で受け取ると、その分の所得が増えるという事になります。所得が増えると健康保険料が増額になります。年収が370万円を超えると医療費の自己負担が2割負担から3割負担になります。公的年金が400万円を超えてしまうと、毎年確定申告が必要になり、非常に面倒です。従って各々の状況に応じて受け取り方を決める事が重要です。

使っても減らない運用ができればベスト

老後の主な収入は公的年金ですが、公的年金だけでは豊かな老後の生活は厳しいのが現実です。従って、足りない分は退職金などの資産から少しずつ取り崩してゆく事になりますが、果たして何%の利回りで運用できれば良いのでしょうか。

例えば2,000万円の退職金から毎月5万円(年間60万円)を取り崩してゆく場合で考えてみましょう。

定期預金レベルの0.01%の場合、93歳で資産はほぼゼロになってしまいます。これでは自分の葬儀費用すらも遺す事はできません。
1.5%で運用できた場合、葬儀費用程度は遺す事ができそうです。
3.1%で運用できた場合は使っても資産は減りません。
5.0%で運用できた場合は毎月5万円を取り崩したとしても、資産を増やし続ける事ができます。


この様に、運用方法次第で資産をゼロにする事も、増やす事もできるという事が分かっていただけたかと思います。できれば使っても減らない3.1%以上の運用を目指したい所です。

今後の予定

終活ガイド資格検定関係では、7月23日(日)に終活ガイド資格2級検定8月13日(日)に初めての終活セミナー(終活ガイド資格3級検定含む)を予定しています。

資産運用関係では、定年退職世代向けは今回で終了ですが、全世代を対象に 8月27日(日)に初めての資産運用セミナー を開催いたします。また未だ正式な案内ではありませんが、10月以降には株式投資、リターンとリスク、分散投資理論、目論見書の見方など、より具体的な「資産運用の実践編」を予定していますので、別途案内させていただきます。

エニーライフラボ

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