NISA口座は変更できるが良く考えて行動
目次
NISA口座は変更できる
NISA口座は当初、一度NISA口座を開設すると2014年1月1日から2017年12月31日までの4年間(第一勘定設定期間と呼ばれる)は金融機関を変更することができませんでした。しかし、2015年から金融機関の乗り換えができるようになりました。そこで今回はNISA口座を変更する方法について説明をしたいと思います。変更にはメリットもありますが、デメリットもありますので、よく考えて行動する様にしましょう。
NISA口座を変更するメリット
NISA口座を置く金融機関を変更することによって、投資できる商品の幅が広がることがあります。NISA口座は銀行だけでなく、証券会社でも開設できます。通常、銀行では株式を扱っていないので、購入できる金融商品が投資信託などに限られてしまいます。さらに、選べる投資信託自体の数も少ない傾向にあります。もし、現在NISA口座がある金融機関が銀行の場合、今後株式も扱いたい場合には証券会社のNISA口座に変更する必要があります。この様に、現状の商品ラインナップに不満がある場合は、金融機関を変更することで選択の幅を広げることができます。
NISA口座を変更する手順
では、実際NISA口座を置く金融機関を変更するには、どうしたらいいのでしょうか。
具体的な手順について説明してみましょう。
NISAは1年に1回、口座を置く金融機関を変更することができます。
1、現在口座がある金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」の送付を依頼します。
2、必要事項を記入して提出すると「非課税管理勘定廃止通知書」が発行されます。
(およそ申し込みから発行まで約1ヵ月かか事もありますので、時間に余裕を見て提出しましょう)
3、新しくNISA口座を置きたい金融機関に口座開設を申し込みます。
(すでに口座を開設している金融機関に変更する場合は、NISA口座の開設を申請するだけです)
4、金融機関から「非課税口座開設届出書」が届くので必要事項を記入し、すでに発行された
「非課税管理勘定廃止通知書」と一緒に提出すると、新しいNISA口座を開設できます。
NISA口座を変更する際の注意点
その年に一度でも利用している場合は変更できません
注意したいのは、金融機関を変更できる時期です。その年にNISA枠を利用して投資を行ったかどうかによって変更できる時期が異なります。例えば2021年の時点で、2021年分のNISA口座を別の金融機関に変更したい場合、1月以降一度もNISAを利用していなければ、2021年9月までに変更を申し出ることで、口座を変更できます。しかし、1月以降すでにNISAを利用して投資していた場合、2021年分のNISA口座の変更はできない事になります。その場合は、2022年分以降のNISA口座を変更することになります。2022年分の口座変更は、2021年10月から申し出ることができます。
NISA口座を変更するデメリット
NISA口座を変更した場合の最大のデメリットはロールオーバーできない点です。
ロールオーバーとは?
NISAでは、購入した金融商品で得られた譲渡益や配当金、分配金は、優遇措置によって5年間非課税となります。5年間の非課税期間が満了した後は、翌年のNISA非課税投資枠にその金融商品を移して、非課税期間を5年間延長することができ、これをロールオーバーと言います。ロールオーバーができるのは同じ金融機関内だけで、金融機関を変えた場合は延長できないので注意が必要です。
最後に
先に説明した通り、NISA口座を置く金融機関を1年ごとに変更する事は可能です。しかし、変更するとロールオーバーができないなどのデメリットもありますので、できれば変更しなくて済むように、口座開設前にしっかりと金融機関の特徴を調べ、長くお付き合いできる金融機関を選ぶのが良いと思います。
誰でもFP相談室 村上