ノーロードファンドの注意点 保有から売却するまでのトータルコストで考える

資産運用

ノーロードファンドとは?
ノーロードファンドとは

 最近、購入時に販売手数料が無料の投資信託「ノーロードファンド」が増えてきました。
ただし、販売手数料が無料だからといって、それだけで飛びついてしまうには注意が必要です。
 一般的に、私達が投資信託を購入する時には「販売手数料」が徴収されるますが、この販売手数料を負担せずに購入できる投資信託も増えています。この様な販売手数料が無料の投資信託のことを「ノーロードファンド」と呼んでいます。

ノーロードファンドが増えている背景

インターネットの普及によるコスト削減が考えられます。つまり近年販売の主流はインターネット販売に移りつつあり、販売会社がコスト削減を図れるようになったことが第一と考えられます。かつては、金融機関の窓口で投資信託を購入することが普通でしたが、現在ではがインターネットで投資信託を購入するのがあたりまえです。インターネットでの投資信託販売であれば、販売会社は店舗や販売員のコストを削減することができます。
販売会社間の競争が加熱していることもノーロードファンドが増えつつある要因の一つです。特に、インターネット証券各社の競争は激しく、販売する投資信託のすべてを販売手数料無料にするという動きも見られます。このように、コスト意識の高い購入者のニーズを取り込むため、販売手数料を無料化する金融機関が増えていると思われます。

ノーロードファンドのメリット
メリット

名前の遠り、最大のメリットは投資信託の販売手数料が無料であることです。通常、販売手数料がある投資信託を購入しようとすると、購入者に負担が発生します。販売手数料は、投資信託の購入金額に対して1~4%程度徴収されることが一般的です。例えば、「販売手数料」が購入金額に対して2%(税込)と定められている投資信託を100万円分購入したとしましょう。
100万円× 2%(手数料率)=2万円の販売手数料を負担する事になります。
つまり、100万円を投資する場合、いきなりマイナス2万円からスタートする事になり、まずはゼロにするまでの時間がかかってしまいます。しかし、ノーロードファンドなら、購入時にプラスマイナスゼロからスタートできる事になります。また、販売手数料以外も低コストに抑えられている可能性もあります。投資信託を保有するには販売手数料のほかに、信託報酬手数料、信託財産留保額を負担しなければいけません。低コストをセールスポイントとしている投資信託の場合、こうした販売手数料以外のコストも低く抑えられているものもあります。

ノーロードファンドの注意点
注意事項

1、ノーロードファンドでは、販売会社からのサポートは受けられないと考えても良いでしょう。
 そもそも、投資信託の販売手数料とは、銀行や証券会社といった販売会社が投資家に行う商品説明、運用相談、販売受付事務などの対価として支払われるものです。実際、ノーロードファンドは店頭で販売されるものよりも、インターネットで販売されるものが多いので、
店頭販売の様な商品説明や相談業務はほとんど無いと考えた方が良いでしょう。商品説明は自分でホームページを読む事が大前提、問い合わせがある場合は電話またはメールといった手段が主流です。
2、保有時にかかる手数料「信託報酬手数料」に注意しましょう。
 ノーロードファンドは購入時の手数料がかからないのが最大の特徴です。しかし投資信託において投資家が負担するコストは購入時手数料だけではありません。投資信託を購入した後、保有している期間中に継続的にかかる「信託報酬手数料」に注意しましょう。信託報酬手数料とは、投資信託を保有している期間中に支払うものです。信託報酬は信託財産の額に応じて一定率を徴収されます。私は調べた限りではありますが、インデックスファンドの場合は平均0.5%程度、アクティブファンドの場合はへ近1.55%となっていました。ノーロードファンドで販売手数料ゼロでも、この毎日負担する信託報酬手数料が割高に設定されていれば、最終的に購入者が負担するコストは高くなってしまいます。
3、解約時にかかる手数料「信託財産留保額」に注意しましょう。
 投資信託を解約(売却)する時にも手数料「信託財産留保額」がかかります。「信託財産留保額」とは解約時に信託財産の中に残していかなければならない迷惑料にあたる物で、ファンドによっては差引かれないものもあります。(確定拠出年金で運用する場合は通常かからりません)
4、販売会社が違えば販売手数料がかかることもあるので注意しましょう。
例えばA銀行ででノーロードファンドとして販売されている投資信託でも、B銀行で購入すると販売手数料がかかるケースがあります。
つまり、販売手数料は販売にかかるコストなので、販売会社のコストに応じて自由に設定できるからなのです。また、ノーロードで販売されている投資信託を同じ金融機関で購入する場合でも、インターネットで購入する場合は販売手数料が無料、店舗での対面販売の場合は、販売手数料がかかる様な場合があります。

参考)投資信託にかかるコスト

さていかがでしたか?
ノーロードファンドは販売手数料が無料なので、確かに購入者にとっては非常に魅力的な投資信託です。しかし、「ノーロード」という言葉にいきなり飛びつくのではなく、購入しようとしている投資信託を保有、売却するまでのトータルコストを考えて購入可否を判断する事が重要です。

誰でもFP相談室 村上

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