安心の未来を描く資産づくりセミナーを開催しました

岡谷市勤労者福祉センター(わーくピア岡谷)主催による、令和7年度秋季講座のひとつとして「安心の未来を描く資産づくりセミナー〜ライフプランから実践運用まで〜」 を、10月から12月にかけて全4回で開催しました。本講座は、人生100年時代といわれる今、将来のお金に対する不安を「見える化」し、制度や金融商品を正しく理解したうえで、自分に合った資産づくりを考えることを目的として企画されました。12名の方にご参加いただき、少人数ならではの落ち着いた雰囲気の中、質問も活発に交わされる実りある講座となりました。

目次
第1回:将来に備えるライフプランと3大資金
〜住宅・教育・老後を見える化して安心設計〜

10月20日(月)の第1回講座では、資産運用の前提となるライフプランの考え方と、人生において特に大きな支出となる「三大資金」をテーマに取り上げました。はじめに、「人生100年時代」と呼ばれる背景を踏まえ、長寿化がもたらす老後資金の不安や、将来のライフイベントが増えることで家計にどのような影響があるのかについて整理しました。現役時代だけでなく、退職後の生活期間が長くなる今、早い段階から将来を見据える重要性が改めて共有しました。
次に、
・住宅資金
・教育資金
・老後資金と公的年金
という人生の三大資金について、それぞれの特徴や注意点を解説しました。住宅購入のタイミングや教育費のピーク、年金だけでは不足しがちな老後資金の現実など、具体的なイメージを持てる内容となりました。後半では、家計を客観的に把握するためのツールとして、
・貯蓄力がわかる家計の収支確認表
・将来の出来事と費用を整理するライフイベント表
・将来の家計を予測するキャッシュフロー表
を紹介し、それぞれの役割や作成方法を解説しました。「何となく不安」だった将来のお金を、数字を使って見える形にすることで、漠然とした不安を整理し、次の行動につなげる土台づくりの回となりました。
第2回:資産運用の第一歩!制度を味方にするお金の始め方
〜NISA・iDeCoのしくみと活用法〜

10月27日(月)の第2回では、「なぜ今、資産運用が必要なのか」という根本的な問いからスタートしました。物価上昇や金利環境の変化、将来の年金制度への不安などを踏まえ、預貯金だけに頼らない資産形成の考え方を整理しました。続いて、証券を売買するための証券口座の役割や種類について解説し、特に近年関心の高いNISAとiDeCoを中心に解説しました。
NISAについては、
・2024年から始まった新NISA制度の全体像
・つみたて投資枠と成長投資枠の違い
・金融機関選びのポイント
などを具体的に説明し、「制度は知っているが使い方がわからない」という不安を解消する内容となりました。また、iDeCoについては、確定拠出年金制度の仕組みや拠出限度額、税制上のメリットだけでなく、原則60歳まで引き出せないといったデメリットにも触れ、ライフプランとの相性を考える視点が示しました。
後半では、
・代表的な金融商品と期待利回り
・株式投資の基本的な考え方
・投資信託の種類と特徴
について整理し、「何で運用するのか」を冷静に考えるための基礎知識を学びました。
第3回:投資信託で資産を育てる!商品選びと運用戦略
〜目的に合ったファンド選びと運用スタイル〜

11月17日(月)の第3回は、投資信託をテーマに、商品選びの考え方と運用戦略をより深く掘り下げました。冒頭では、これまでに学んだ金融商品の復習を行い、その上で「なぜ投資信託が資産形成に向いているのか」を整理しました。
投資信託の選び方として、
・運用スタイル(インデックス型・アクティブ型)
・手数料(信託報酬)の重要性
・投資先(国内・海外、株式・債券・バランス型など)
・投資のタイミング
・分散投資の考え方
・分配金の仕組み
といったポイントを一つずつ解説し、「商品名ではなく中身を見る」視点が強調されました。特に、長期・積立・分散という資産形成の基本を、投資信託を通じて具体的に理解できる構成となり、参加者にとって実務的な学びの多い回となりました。
第4回:一歩進んだ資産運用とリスク対策
〜投資信託・株式から出口戦略まで〜

12月3日(月)の最終回では、これまでの内容を踏まえ、より実践的かつ総合的な資産運用について学びました。まず、NISAとiDeCoをどのように使い分けるのがよいのか、ライフプランや働き方による考え方の違いを整理しました。
続いて、投資信託の評価指標として、
・基準価額と収益率
・標準偏差(リスク)
・シャープレシオ
といった用語を解説し、数字の意味を理解した上で活用する重要性が示されました。また、目論見書の見方についても解説をし、「読むべきポイント」が明確になりました。後半では、株式投資の基礎として、証券取引所や株式市場の仕組み、株価に影響する要因、株式投資の方法や代表的な投資指標について学びました。
さらに、
・投資における5つのリスク
・リスクへの具体的な対策方法
・感情に左右されないための考え方
といったリスクマネジメントに加え、資産をどのように使っていくかという出口戦略についても取り上げ、資産運用を「ゴールまで含めて考える」視点を共有しました。
おわりに
全4回の講座を通じて、参加者の皆さまが少しずつ理解を深め、「将来のお金を自分で考える力」を身につけていく様子が印象的でした。資産運用は決して特別な人のものではなく、ライフプランと正しい知識があれば、誰にとっても現実的な選択肢となります。本講座が、将来への不安を整理し、自分に合った資産づくりを考えるきっかけとなれば幸いです。
最後に、本講座を主催してくださった岡谷市勤労者福祉センター(わーくピア岡谷)の皆さま、そしてご参加いただいた受講者の皆さまに、心より御礼申し上げます。



