住宅ローン控除 同じ借入額でも人によって必ずしも同じ控除額にはならないって本当?

住宅ローン

はじめに

2022年に入ってからライフプラン作成依頼が非常に増えています。2021年まではライフプラン作成依頼は全体の半数程度だったのですが、今年はなんと90%以上を占めています。目的も特徴的で、従来は老後資金確保が主だったのですが、今年は圧倒的に住宅取得目的の方が非常に多いのです。
住宅取得の相談をしていると必ず話題になるのが、やはり住宅ローン控除の事でしょう。でも大半の方は税金が戻ってくる事はご存じなのですが、幾ら戻ってくるのか知っている方は極わずかです。ライフプランを作成する時には必ずキャッシュフロー表に住宅ローン控除額を記載するのですが、「何故こんなに少ないのか?」とか「40万円戻ってくると思っていたのに・・」などと愚痴られる場合も多いのが実情です。
そこで今回は住宅ローン控除に関して解説してみたいと思います。必ず40万円が戻ってくる訳ではありませんし、同じ借入額でも控除額は人それぞれ、必ずしも同じ控除額にはならない事を事例を使って説明したいと思います。

注意)この記事では従来の住宅ローン控除率1%、限度額4,000万円の場合を事例に説明しています。令和4年以降に入居した場合は控除率が0.7%、限度額が3,000万円となりますのでご注意下さい。

そもそも住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。正式名は「住宅借入金等特別控除」と言い、確定申告をすると税金の控除の適用を受ける事ができます。住宅ローン控除は税額控除ですので、収めた税金から控除額そのものが戻ってくる仕組みです。

控除できる金額の計算方法

住宅ローン減税によって控除できる額の計算方法は、取得した物件の消費税率によって異なります。

消費税8%の物件を取得した場合

入居期間:2014年4月1日~2021年12月31日までに入居
控除期間:10年間
控除額
 1~10年目 4,000万円までのローン残高×1%(最高40万円)

消費税10%の物件を取得した場合

入居期間:2019年10月1日~2020年12月31日までに入居
控除期間:13年間
控除額
 1~10年目 4,000万円までのローン残高×1%(最高40万円)
 11~13年目 住宅取得等対価の額-消費税額(上限4,000万円)}×2%÷3
 のどちらか少ない方

この中で、4,000万円までのローン残高×1%(最高40万円)という部分が味噌でして、最高40万円という文言が4,000万円以上のローンであれば「誰でも40万円戻ってくる」と勘違いさせる原因でもあります。
あくまでも条件が整った場合には最高40万円が戻ってくるという意味ですので、今回はこの理由について説明してみたいと思います。

実際の控除額の算出方法

住宅ローン控除できる金額は上記で計算した通りですが、実際の控除額は次の様な順番で計算してゆきます。

① 最初に所得税から控除額を差し引きます。所得税だけでは控除額が余ってしまう場合には
② 住民税からも控除額を差し引きます。
 住民税から控除できる金額は、所得税の課税総所得金額等×7.0%相当額となります。
 この額が136,500円を超える場合には、136,500円が上限となります。
(消費税非課税で住宅を取得した場合は、それぞれ5.0%相当額、97,500円が上限)
③ 上記①と②の合算が実際の住宅ローン控除額となります。
所得税とか住民税とか、非常に分かりにくいですよね。

同じ借入額でも必ずしも同じ控除額にはならない理由

では、わかりやすくする為にモデルケースを設定して説明してみたいと思います。

年齢
 ・ご主人:34歳  ・配偶者:33歳  ・子供:2歳
職業
 ・ご主人:会社員  ・配偶者:専業主婦
住宅ローン
 ・借入額 4,200万円 (年末時点でのローン残高は4,089万円)
 ・変動金利 0.475%、元利均等返済
 ・返済期間35年

住宅ローンで控除できる金額は1~10年目は4,000万円までのローン残高×1%(最高40万円)ですから、この場合は40万円となります。

では、ご主人の年収が500万円の場合と、900万円の場合で実際に計算してみましょう。

年収500万円の場合

詳しい税額の計算過程は省略しますが、年収が500万円だった場合は、課税所得金額は199.2万円であり、所得税は10.2万円、住民税は21.4万円となります。ここから住宅ローン控除を差引いてゆきます。

① まずは所得税から控除額を差引きますが、納める税額10.2万円以上を控除する事はできませんので、所得税からの控除額は10.2万円となります。 
② 所得税からは控除額が余ってしまいますので、次に住民税から差引きます。住民税から控除できる金額は、所得税の課税総所得金額等×7.0%相当額ですので、199.2万円×7.0%=13.944万円となります。しかし、住民税から控除できる上限13.65万円を超えてしまっていますので、控除額は上限の13.65万円となります。
③ 上記①と②を合算すると、実際の住宅ローン控除額は10.2万円+13.65万円=23.85万円となります。

年収900万円の場合

では、年収が900万円だった場合で計算してみましょう。課税所得金額は502.6万円であり、所得税は57.8万円、住民税は51.8万円となります。ここから住宅ローン控除を差引いてゆきます。

① まずは所得税から控除額を差引きます。所得税57.8万円なので、40万円を全額所得税から控除する事ができます。
② 上記所得税から既40万円を控除してしまった為、住民税からの控除額はゼロです。
③ 上記①と②を合算すると実際の住宅ローン控除額は40万円となります。

この様に同じ住宅ローン借入額であっても、各々の年収によって実際に控除できる金額は異なるのです。

最後に

今回は当事務所でも相談が多い住宅ローン控除について解説させていただきましたが、いかがだったでしょうか。ここまでは従来の住宅ローン控除の場合で説明をしてきましたが、2022年の税制改正で控除率が0.7%(限度額は3,000万円)に変更となりました。新築住宅の場合、令和3年9月30日までに契約をし、令和4年中に入居すれば控除率は従来の1%ですが、それ以外の場合(令和4年から令和7年までの間に入居した場合)は控除率が0.7%に縮小されますので注意が必要です。その他にも色々と変更点がありますので、機会があれば別の記事で説明をしたいと思います。

誰でもFP相談室 村上

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