令和4年度税制改正 住宅ローン控除率の縮小0.7%が開始

住宅ローン
はじめに

昨年の11月に「住宅ローン減税の控除率縮小 0.7%になるかも」という記事を書かせていただきました。その後12月24日、本当に住宅ローン控除の見直しを含めた令和4年度税制改正の大綱が閣議決定、1月の国会への法案提出を経て、先日改正法案が成立しました。今回の税制改正内容は個人所得課税、資産課税、法人税、消費課税、納税環境整備、関税と例年に習い多岐にわたっていますが、やはり一般庶民に影響が大きい部分は個人所得課税(住宅ローン控除制度の見直し)でしょう。
住宅ローン控除制度はほぼ毎年改正されており、さらにここ数年は消費税率の変更で物件の取得時期や入居時期によって控除期間が異なったり、コロナ特例が適用されたり、省エネ住宅やら認定住宅云々と、目まぐるしく変更されてきました。私達の様に日常から住宅購入計画の相談を受けるFPでさえも混乱する様な制度ですから、一般の方が理解できないのも当然だと思います。
そこで、今回は令和4年4月から施行される住宅ローン控除制度の見直しについて、自分の整理も含めて分かり易く解説してみたいと思います。

そもそも住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除

住宅ローン控除制度とは、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。正式名は「住宅借入金等特別控除」と言い、確定申告をすると税金の控除の適用を受ける事ができます。住宅ローン控除または住宅ローン減税などと呼んでいる場合もありますよね。

改正前の住宅ローン控除で控除できる額の計算方法は取得した物件の消費税率によって異なります。

消費税8%の物件を取得した場合

入居期間:2014年4月1日~2021年12月31日までに入居
控除期間:10年間
控除額
 1~10年目 4000万円までのローン残高×1%(最高40万円)

消費税10%の物件を取得した場合

入居期間:2019年10月1日~2020年12月31日までに入居
控除期間:13年間
控除額
 1~10年目 4000万円までのローン残高×1%(最高40万円)
 11~13年目 住宅取得等対価の額-消費税額(上限4,000万円)}×2%÷3
 のどちらか少ない方

概ね住宅ローンの年末時点での残高の1%の税金が所得税、または所得税と住民税から戻ってくると考えると良いでしょう。
(厳密に言うと、納める所得税の額によって異なります。詳細はこちらを参照下さい。)

今までの住宅ローン控除制度

今まで、つまり令和3年度税制改正後の住宅ローン控除の概要は以下の図表の通りです。

財務省HPより転載

特別特例取得

令和3年度税制改正の大綱で控除期間13年が適用される住宅購入・建築の対象期間が延長されました。対象者は消費税10%適用の新築・既存住宅等を取得した場合です。
新築住宅の場合、令和3年9月30日までに契約をし、かつ令和4年末までに入居を完了した場合には控除率は1%で13年間の控除を受ける事ができます。
既存住宅及び増改築の場合は令和3年11月30日までに契約をし、かつ令和4年末までに入居を完了した場合には控除率は1%で13年間の控除を受ける事ができます。

令和4年度税制改正大綱の内容

住宅ローン控除はコロナ禍で住宅市場、しいては日本経済を下支えする制度として一定の効果が認められる制度ですが、そもそもは取得者の金利負担の軽減を目的としています。ローン残高の1%を控除する制度ですが、昨今の低金利によって金利が1%を割り込むことが多く、控除額が支払利息額を上回る「逆ざや」が起こるケースが生じていました。そこで、今回の改正では控除額は一律ローン残高の0.7%となりました 。控除率を引き下げる事による住宅市場の冷え込みを回避する策として、控除期間を現行13年間から15年以上に延長する案も検討されていましたが、結局13年間のままで決着しました。
改正内容は下表の通りとなります。
住宅の種類(一般・認定。省エネ等)、入居する期間に応じて借入限度額や控除期間が異なるので注意が必要です。ちなみに、財務省が公開する令和4年度税制改正大綱の原文はこちらを参照下さい。

この様に、令和4年中に入居した場合には、基本的には控除率は0.7%となりますが、令和3年度税制改正で手当てされた「特別特例取得」に該当する場合には、令和4年中に入居した場合でも控除率が1%となります。
この様に、令和4年中に入居した場合の住宅ローン控除の控除率等は契約時期により異なるため、注意が必要です。

最後に
最後に

今回の改正で住宅ローン控除の適用期限は令和7年12月31日まで4年延長されましたが、令和6年以降は借入限度額が住宅の種類に関わらず引き下げられる為、来年(令和5年末)までに入居した方が得である事は一目瞭然です。当事務所の相談内容は、従来は老後資金確保の為のライフプラン作成が多いのですが、今年は住宅購入の為という方の比率が非常に高いのが特徴です。原因を考えると、今回の税制改正において来年(令和5年末)までに入居した方が得である事が要因になっている事は明らかです。
詳細は以下の記事をご参照下さい。

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