自動車保険 加入率75%という驚愕の事実

自動車保険

自動車保険とは

自動車保険

自動車を所有している限り、必ず加入する保険が自動車保険です。自動車保険の種類はいわゆる強制保険と言われる自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)と任意保険に分類されます。一般的に自動車保険というと後者の任意保険のことを指す場合が多いです。

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)

自賠責保険とは、車を所有している人必ず加入しなくてはならない保険で、法律で加入が義務付けられています。自賠責保険の加入を義務付けている理由は、自動車事故の被害者救済を目的としているからです。保険での補償対象は被害者の人的損害のみで、人的損害以外は補償されません。
補償の限度額は被害によって異なり、以下のように定められています。

 ・傷害(ケガ)による損害は120万円
 ・死亡による損害は3,000万円
 ・後遺障害による損害は4,000万円
 ・物損に対する損害は補償なし

任意保険

自賠責保険では被害者が死亡した場合でもたった3,000万円しか補償されません。過去の判例では死亡時の損害賠償額が億単位に至るケースもあり、自賠責保険の補償3,000万円だけでは到底十分とは言えません。任意保険はこの自賠責保険では足りない補償分を補う保険なのです。
任意保険には色々なタイプの保険がありますが、自動車に関する色々な保障が一つのパッケージになった自動車総合保険(略称はPAP)、さらに車両保険が加わった自家用自動車総合保険(略称はSAP)が一般的です。任意保険に関する詳細は下記コラムでも解説していますので、ご参照下さい。

https://daredemo-fp.com/2021/05/08/jidosyahoken/

任意保険の加入率75%という驚愕の事実

損害保険料算出機構HPで公開されている資料「自動車保険の概況 2020年度」第18表によると、2020年3月末時点での乗用車・2輪車・商用車など全ての車両を含めた任意保険の普及率は、対人賠償において75.0%でした。筆者としては当然、一般道を走っている自動車のほぼ全てが任意保険に加入していると思っていましたので、加入率75%という数字を見た時は驚き以外に何もありませんでした。実に4台に1台は任意保険に未加入をいうのが現状です。

自動車の用途・車種別の加入率(対人賠償)

自家用普通乗用車が82.8%、自家用小型乗用車が78.8%、軽四輪乗用車が77.5%でした。少なくとも乗用車の場合、自動車が小さくなるにつれて加入率は低くなる傾向がある様です。自動車が小さくなると、事故を起こしても軽く済むだろうという心理が働くのでしょうか。

営業車、貨物車などの商用車の内訳を見て見ると、軽四輪貨物車で55.3%という低さが目立ちましたが、概ね70%~80%と、自家用車とは差がありませんでした。人の命を預かって運行している営業用バスでさえも88.7%と、10台に1台は未加入というのも驚きです。

最も加入率が低かったのは二輪車でした。加入率は49.4%と2台に1台は加入していない事実が判明しました。二輪車であれば人と接触しても死なせてしまう事はないだろう、という心理が働くからなのでしょうか。二輪車であっても人をはねて死なせてしまった事例は数多く発生している事実を認識しなくてはなりません。

この二輪車の「無保険」問題に関しては、以下の記事が大変参考になりましたので、興味のある方は是非読んでみて下さい。

無保険の大型バイクで中央線突破。死亡事故2回目の被告に下された判決と、遺族の思い

お父さんのいない、初めてのクリスマス… 中央線突破の「無保険バイク」に命奪われて

都道府県別の加入率(対人賠償)

都道府県別の加入率を見ると、傾向がはっきりとしてきます。
大阪府が82.7%、愛知県が82.2%、神奈川県が80.3%、東京都が79.3%と上位を占めていました。一方、加入率の低い都道府県を見ると、沖縄県が54.2%、島根県が59.0%、高知県が60.9%、秋田県が61.9%でした。大都市で自動車事故が多い都道府県では加入率が高く、地方で自動車の密度も少ない都道府県では加入率が低いという傾向が観られました。(あくまでも個人的な見解です)筆者の住む長野県でも67.4%と全国平均以下という驚きの事実でした。田舎町では事故はめったに起きないから、任意保険なんて入らなくても大丈夫という心理が働くのでしょうかねえ・・・本当でしょうか?
そこで次に、交通事故の発生確率について調べてみましょう。

都道府県別交通事故発生確率

車保有台数あたりの交通事故発生確率を調べてみると、静岡県が0.71%、大阪府が0.67%、福岡県が0.62%と上位でした。
人口10万人あたりの交通事故発生確率を調べてみると、静岡県が567.2件、宮崎県が477.7件、群馬県が477.1件と上位でした。
人口10万人あたりの交通事故死者数を調べてみると、香川県が6.17人、福井県が5.34人、高知県が4.87人を上位でした。
この結果を見る限りですが、大都市で交通事故が起きやすく、田舎町では起きにくいという法則は成り立たない事がわかります。つまり、田舎町であっても同じ様に交通事故は発生するという事実をしっかりと認識する必要があるのです。

最後に

最後に

自動車保険(任意保険)加入は、自動車を運転する者の最低限のたしなみである事を忘れてはなりません。 自賠責保険だけでは被害者が死亡した場合でもたった3,000万円しか補償されない為、到底十分とは言えません。 自動車保険はこの自賠責保険では足りない補償分を補う保険なのです。
自動車保険は事故を起こした際に自信が負うべき責任を助けてくれるばかりではなく、最も重要視されるべきは被害者の救済です。交通事故はいつどこで起きるかはわかりません。短期的には無駄と思われるかもしれない保険料ですが、万が一の事態のために支払い続けることは決して無駄ではありません。自動車を運転する者は必ず加入する様にして下さい。

誰でもFP相談室 村上

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